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Q. |
犬はどうしてワンワンとしかいわないの?(11/7更新) |
A. |
「犬はどうしてワンワンとしかいわないの?」と、五歳の男の子に聞かれてしまいました。私は、そこで次のようなことを答えました。
犬は、「ワンワン」と言っているわけじゃあないんだ。だって、犬は人間のことばがしゃべれないんだもん。犬は、ただ鳴いているだけ。その声を日本人が聞くと、「ワンワン」って聞こえちゃうんだね。
ウソだあって思ったら、英語をぺらぺらしゃべるアメリカ人に聞いてみて。「おじさん、犬はなんて鳴いているの?」って。そうすると、アメリカのおじさんはきっとこう答えるよ。「犬はね、バウワウって鳴いているんだよ」。アメリカ人の耳には、犬の声が「バウワウ」って聞こえるんだ。ドイツの人にも聞いてみると、「ドイツじゃあね、犬はヴァウヴァウって鳴くんだよ」。ロシアの人はこう言うよ、きっと。「われわれの国じゃあ、犬は、ガフガフさ」。なんだか噛み付かれそうな犬の声だね。フランス人は、「わしの国じゃあ、犬はウワウワって鳴くんじゃ」。
次は、アジアの人に聞いてみようか。まずは、タイの人から。「私の国では、犬はホンホンと鳴くのさ」。なんだか元気がない声だね。おとなりの韓国の人にも聞いてみようよ。「犬は、何て鳴いているんですか?」って。そうするとね、韓国の人は、「モンモンって鳴いているんだよ」って言うよ。ネ、信じてくれた? 国によって、鳴き声は違って聞こえることを。どうしてかって言うと、その国のことばで犬の声を聞くからなんだ。しゃべっていることばがちがうと、違うことばで犬の声を写すことになるんだ。
日本と同じく「ワンワン」って聞く国はないのかなあ? さがしてみると、あるんだ。その国は、日本と深い関係を持っている中国なんだ。中国の人は、日本と同じく犬のこえを「ワンワン」って聞いているんだよ。なんか安心した? 回答者:山口仲美(やまぐち・なかみ)
(これは、『絵本の楽しみ』(福音館)421号に掲載したものです。)
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